モータ設計AIエージェント「MotorAI v1」を正式リリースしました

モータ設計AIエージェント「MotorAI v1.0.0」の正式リリースと、2030年に向けた私たちのビジョンをご紹介します。

株式会社MotorAI

2026年10月4日、私たちはモータ設計AIエージェント「MotorAI v1.0.0」を正式にリリースしました。2024年に研究開発を始めてから、約2年を経ての正式版公開です。

モータ設計では、CADで形状を修正し、シミュレーションで性能を確かめ、その結果を踏まえて次の設計案を試す作業を繰り返します。MotorAIは、この反復作業をAIが担うことで、設計者がより多くの設計案を検討できるようにする製品です。

設計・解析の反復をAIに任せる

私たちは2024年から、設計者の指示をAIが解釈し、CAD・CAEソフトウェアを使って設計・解析・評価を繰り返す技術を開発してきました。MotorAI v1では、自然言語の指示をもとに、CAD形状の編集、JMAG-DesignerやAnsys Maxwellを用いた電磁界解析、結果の確認、設計案の改善までをAIエージェントが実行します。

これにより、設計者がソフトウェアの操作に費やす時間を減らし、その分だけ多くの設計案を試せるようになります。

1ライセンスで、約10人分の設計生産性

当社の試算では、MotorAIの導入により、1か月に実施できる設計試行数を従来の約10倍に増やせます。設計試行の生産性で比較すると、MotorAIの1ライセンスはモータ設計エンジニア約10人分に相当します。

もちろん、この数字は設計者10人分の工学的判断をAIが代替するという意味ではありません。要求性能や制約条件の設定、解析結果の解釈、製造の可否などには、今も人間の判断が必要です。一方、設計者が解析ソフトウェアを一件ずつ操作しなくても、設計試行を進められるようになります。

現在、自動車や産業機器などの分野で、国内8社との間で製品購入や有償PoCなどの案件が具体化しています。加えて、その約3倍にあたる企業とも、新たな契約開始に向けた協議を進めています。

2026年からは海外の展示会にも積極的に出展しており、海外企業からも非常に強い引き合いがあります。現地での製品提供を円滑に進めるため、複数の現地代理店候補と交渉しており、早期に海外での事業を開始できると見込んでいます。

2030年、設計者が計算機の中の工程を意識しない世界へ

現在は人間が設計方針や制約条件を決め、AIがCAD操作や解析を実行する形で設計を進めています。次に取り組むのは、工学的な判断をAIに任せられる範囲を広げることです。

熟練した設計者は、数式や仕様書に書かれた条件だけで判断しているわけではありません。経験を通じて身につけた工学的な判断基準や品質規範も使って、設計案の良し悪しを見極めています。私たちは、人間との対話や設計試行の反復を通じて、こうした判断基準をAIの設計プロセスに反映していきます。

2030年までに「設計者が計算機の中の設計・開発・解析工程を意識しない世界をつくる」。これが私たちの目標です。

将来、設計者は必要な機能や性能の定義、実際の製造方法の検討など、より高度な工学的判断に集中できるようになります。AIはその要求を受け、設計・解析・評価を自律的に繰り返します。この構想はモータに限りません。機械、電気、材料をはじめとする工学分野へ対象を広げ、異なるCAD・CAEソフトウェアを横断しながら、設計から試作・製造までをつなぐ仕組みを目指します。

私たちはAIによって設計開発を加速し、日本のものづくりの国際競争力を高めていきます。MotorAI v1の正式リリースは、その実現に向けた第一歩です。

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